焼岳登山記録その1(登頂まで)

2020/10/21に焼岳に登ってきて写真を沢山上げたくなったので、ついでに記録を付けようということで書いてみます.

 

登山口まで:
ーさわやか信州号5805便ー
バスタ新宿発(2020/10/20/22:25)
上高地バスターミナル着(05:20)/上高地帝国ホテル前着(05:10)

登山ルート:
田代橋着(05:40)/(05:25)
焼岳小屋着(08:30)/(08:05)
焼岳北峰山頂着(09:40)/(09:35)

下山ルート:
焼岳北峰山頂発(10:30)/(10:55)
焼岳小屋着(11:30)/(11:55)
上高地温泉ホテル着(13:45):入浴/(13:30)

新宿まで:
ーさわやか信州号5806便ー
上高地バスターミナル発(16:10)
バスタ新宿着(20:57)

 

  • 摂取した食料と時刻

・サンドイッチ*1:04:30
・パワーリキッド*1:08:05
カップラーメン*1:10:15
・パワーリキッド*1:15:30
アミノバイタルタブレット*18:下山途中から随時

 

  • 登り

登山口まで:

夜行バス自体が初めてで地味に楽しみだった.平日だからかコロナだからか,全員隣が空席だった.ということで多分条件は良かったんだろうが,やはり初心者だからか,初めの休憩地点(談合坂PA)までの1時間くらいしか寝られなかった.昨日起きたのが遅かったので連続時間的には多分大丈夫だろうと思いつつ,若干不安になって,これフラグじゃないよな…などと考える.

元々上高地バスターミナルで降りるつもりだったが,帝国ホテル前にも止まるようで,こっちの方が登山口である田代橋まで明らかに近いので,予定を変更してここで降りることにした.

 

焼岳小屋まで:

帝国ホテル前でガチ暗闇にいきなり放置されてビビる.とりあえず手探りでヘッドライトを取り出す.まだかなり暗いのですぐに行動するかちょっと悩んだが,めちゃめちゃ寒い(ちょっと後に温度計を見たら0℃になっていた)し周りには吹きさらしの小さな小屋しかないので,とりあえずYAMAPを頼りに田代橋を目指す.上高地バスターミナルで降りる人が多いのは,そっちの方が時間が丁度良いからなのかなあとか考える.10mくらい歩くと看板がある.

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 コンクリートの道を道なりに歩くと10分くらいで田代橋に着く.予想に反して割と普通の橋だった.老夫婦が星を見ていた.流石に東京よりは見えるけど,もう明るくなってきていたのか,満点の星空という感じではなかった.ちなみにこの日の日の出は06:02らしい.

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暗くて手ブレしている

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田代橋からの風景.手前は上高地温泉ホテルで,山は多分穂高連峰.写真は明るく見えるけど,この時点ではまだ結構暗かった

田代橋から数メートルのところに西穂高への登山口と,上高地温泉ホテル,それから焼岳方面への分岐がある.今回は焼岳に行くので左へ.

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ここにも寒さを凌げる場所はないので,とりあえずコンクリートが続く分は歩いてみることにする.

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上高地って感じの道で既に美しい

15分くらい歩くと焼岳登山口との分岐がある.

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結構怖いことが書いてあって,周りに人一人いないこともあってビビる

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看板を見て登山届を(印刷してきたのに)出し忘れたことに気づく.というか上高地帝国ホテル前からここまでにはそういうところはなかったので,みんなバスターミナルまで乗るのはそのためもあるのかなあなど考える.薄暗い中一人でちょっと怖かったこともあり,QRコードから電子提出しようとも思ったが,寒くてこんなことをしてると指がやられてしまうと思って諦めた.長野に行くときは印刷して持っていくんじゃなくて,あらかじめ電子提出するのが良いんだね.

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こんな感じの道を登っていく.しばらくはわかりやすく歩きやすい道が続く

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モルゲンロートらしきものが見えてテンションが上がる.このときは自信がなかったけどこれが焼岳.これから登る山のモルゲンロートが見れるのは嬉しさがある

だんだん明るくはなってきたが,歩くペースは結構遅いはずなのに誰にも追いつかれずかなり心細い.独り言をめっちゃ言いながら歩く.上高地だし熊なんていないだろと思って熊鈴を付けないで歩いてたけど,まさにこの日の前日に上高地のハイキングコース(!)で熊が出ていたらしく,暗がりの中ということもあってちょっとリスキーだったかもしれない.

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土砂崩れ?YAMAP上では峠沢という名前がつけられている

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ちょくちょく開いた景色が見え始める.紅葉が美しい

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写真が下手で伝わらないが,ガチで怖いポイントその1.落ちたら死ぬ

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ガチで怖い梯子からの風景

この梯子まではそこまで足元に注意しなくても歩けるような道がずっと続いて,ひたすら水平距離を稼いだ.正確な地点を忘れてしまったが,この梯子までで焼岳小屋までの4/5くらいを進んでいて,時刻は確かまだ7:00くらいだった.ひょっとして焼岳イージーか?と思ったけどそんなことはなく,ここから一気に急になる(が,あんまり写真を撮ってなかった)

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一気に急になる,と書いたけど意外とあっさり開けたところに出る.この辺りは硫黄の匂いが山頂の方から流れてきていて,活火山という雰囲気がしてくる.しばらく低木の群れをクネクネ歩く感じの道が続く.

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焼岳,モンハンみたいな山容でめちゃめちゃかっこいい.手前はさっきの峠沢に繋がっている

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木曽駒の方を振り返った景色.雲海が見える

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ちょっと登って大正池の方を振り返った風景.まだ上高地の辺りは暗そう

道なりに進んだ突き当りに名物の10mの梯子がある.

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ガチで怖いポイントその2.針金をねじって固定されていて,梯子と梯子の繋ぎ目とか本当に怖い.半分くらい登ると「左右の転倒に注意!」という注意書きがあってさらにビビる(片側に体重かけすぎると梯子が左右に回転してしまう?)これ登れてもザック背負って降りれるのかなあと思いつつ,プルプルになりながら登った

この梯子は毎年10月下旬に撤去されるらしく,そうなるとここが越えられなくて,上高地側からは焼岳に物理的に登れなくなるらしい.

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梯子を登りきった後もつるつるの岩が2枚ほど続く.鎖が見えるけど,足元に取っ掛かりがないので鎖を使って登るのはむしろ難しそう

ここを越えるとだんだん北アルプスって感じの美しいゾーンに入ってくる.

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写真だと伝わりにくいが,視界の広さと紅葉が美しい

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かっこよすぎる焼岳の背中

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すすき林が広がっている

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この辺りから霜柱が降りている.踏んだ

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旧中尾峠の辺りかな?焼岳小屋の手前で少し下ることになるが,その手前の鞍部がこの辺り.さっきのすすき林とはちょっと植生が違う感じ

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焼岳小屋に到着.確かにこじんまりとした感じ.今年の営業は2日前くらいに終わったけど,中には人が居て作業をしていた.トイレは100円.北向きでやや寒いけど,旧中尾峠を越えた辺りから硫黄の匂いがしなくて,そのためにここに小屋があるのかなあなどと考える

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らしい.ちなみに後ろの煙は火山ガスではなく何かを燃やしているっぽい

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YAKE PEAK.この辺りで休憩してパワーリキッドを食べた.ツイートでもしようかと思ったけど電波がなかった.休憩してたらやっと単独行の人が一人現れて,そのまま去っていった

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インスタ映えっぽい葉っぱ

 

山頂まで:

5分くらい休憩して行動再開.看板のYAKE PEAKの方向に進むと,さっきの旧中尾峠とは裏面から小ピークを回り込むような形で,すぐに開けたところに出る.

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手前の小ピークと重なってるけど,焼岳.結構雪が見える

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さっきの小ピークの頂上.焼岳の方を向いている.噴火を監視してる…?

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同地点からの焼岳.右下の辺り,ルートが途中から見えなくて,あの先どうなってるんだ…?と考えていた.その謎は後で解ける.この辺りから煙が吹き出てるところが間近にあって,Dr.Stoneで火山ガスはヤバいという認識を持っていたので,結構ビビる(下山してるときだが,こういうガスの噴出地点に何かを投下して調査してる4人組がいた.こんな近寄れるようになってるところはまあ大丈夫なんだろう)

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同地点からの岐阜側(西側)この方面だけ大きな山がない

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同地点からの笠ヶ岳(北西の方角)調べるまで知らない山だったけど,この日に焼岳から見た山では近くに見えて結構かっこよかった.登るのは大変そう

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小ピークを下りて,焼岳に取り付いて少し登ってから振り返って撮った上高地.こうしてみるとガチで平たいことがよくわかる.後でどこかで解説を読んだけど,噴火で溶岩が流れ込んでこんな感じになったらしい(もしかしたら違うかもしれない)

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同地点からのさっきの小ピーク.手前の鞍部が新中尾峠(多分)穂高連峰が綺麗に見えてきていて,結構既に美しい

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少し登ると木がなくなってきて煙が増えてくる.煙は大きいものから小さいものまであったが,小さいものを間近で見てみても噴出口がどどこなのかわからなかったりして不思議だった.岩が湿ってて空中から煙が湧き出してるみたいな…

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注意書きにビビる

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注意書きの看板を過ぎて少し経った辺りからルートがかなりわかりにくくなった.結構緊張感が出てくる

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ちょっと登ってこういう丸印が付いた岩があったら正解,という感じの登りを繰り返す感じ

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登ってから振り返るとルートはわかりやすい.だんだんクネクネ行けば正解なんだなというのがわかってくる.この辺りで初めの下山者とすれ違う.雪ありましたか?チェーンスパイクとか必要ですかね?と聞いたら全然そんなんじゃないと言ってたのでちょっと安心する.その人は中の湯側から来たらしい.このあとすれ違う人もほとんど中の湯側からの人だった.上高地側からは意外とマイナーなのかもしれない

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だんだん雪が増えてくる

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振り返ると槍ヶ岳が見える!!!(実は何枚か前の写真でも既に見えている)テンションが上がる

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ちょっと北側になってて怖い場所.崖側に滑落すると行動不能くらいにはなりそう.怖いのでここからチェーンスパイクを付けた.さっきの方,ここチェーンなしで下ってきたのマジですか…(この時間に下山してるの結構ペース早い気がするし,多分プロなんだろう)

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といっても雪がある箇所はそんなに続かず,この巨石を左に回り込むと山頂.この辺りからたくさん人とすれ違うようになって,人間が珍しくなくなった.写真だと影になっちゃってるけど,指みたいになってる岩は表面にひびが入ってて,落ちてくるんじゃないかと若干怖かった

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山頂直前.中央に硫黄の黄色がはっきりと見える

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そして俺は、地球を踏んだ―

おおよそコースタイム通りで山頂に到着した.焼岳小屋までは若干巻いてたので,最後の方でペースが落ちたらしい.ルートがわかりにくくて結構緊張しながら歩いたからかなあ.最近ぼちぼち走っていた甲斐もあってか,珍しくバテバテという感じではなかった気がする.

写真をたくさん貼ってだいぶ長くなってきたので, 焼岳登山記録その2(山頂到着後) - フラニーとやさしい世界 に続きます.